顎関節症とは?
口を開けたり閉じたりする際、顎(あご)の関節は「回転」と「滑る」動きをします。このと
き、下の顎の骨は関節のくぼみから少し外れて動きます。首の位置がずれると、左右
の顎の筋肉のバランスが崩れてしまい、口がうまく開かなくなることがあります。これ
が原因で、顎関節症(あごの関節の問題)が起こることがあります。
強く噛みしめることや、口を開け閉めする際に「カクン・カクン」と音がするなどの症状
も、関節の間隔が狭くなり、関節軟骨に負担をかけることで発生します。本来、口の開
け閉めの際は一時的に脱臼をさせるため、関節軟骨に圧が掛からず、クリック音がな
らないはずです。
顎関節症のタイプ
顎関節症にはいくつかのタイプがあります。それぞれの原因や症状は以下の通りで
す:
顎関節症Ⅰ型:咀嚼筋(そしゃくきん)に問題がある
• 口を動かす筋肉が緊張して固くなったり、痛くなったりします。
• 口を動かすと少し痛みを感じることがあります。
顎関節症Ⅱ型:関節包(かんせつほう)や靱帯(じんたい)に問題がある
• 顎の関節を包む部分や支える靱帯に問題があり、動かすと痛みを感じます。
• 関節が動くときに音がすることがあります。• 筋肉の痛みはあまりありません。
顎関節症Ⅲ型:関節円板(かんせつえんばん)に問題がある
• 関節の中にある円板がずれたり、変形したりします。
• 口を開けるときに「カクン」と音がすることがあります。
• 筋肉の痛みはなく、関節の痛みも軽いです。
Ⅲ型 a:
o 関節円板が元に戻るときに「カクン」と音がします。
Ⅲ型 b:
o 関節円板が元に戻らず、口を開けるのが難しくなることがあります。
顎関節症Ⅳ型:関節が変形してしまう
• 関節の軟骨(なんこつ)が壊れたり、骨が変形したりします。
• 関節を動かすと「ジャリジャリ」と音がすることがあります。
• X 線写真で異常が見えることもあります。
顎関節症Ⅴ型:他の型に当てはまらない
• 上の 4 つのどれにも当てはまらないけれど、顎の関節に問題があります。
• 心の問題も関係していることがあります。
顎関節症の予防と改善
顎関節症の症状を緩和させるためには、まず強く噛み締めることを減らすことが重要
です。緊張や不良姿勢などが長く続くと噛み締めが起こりやすくなります。こうならな
いように、筋肉の調整や姿勢の改善を行うことが大切です。
お問い合わせ
顎関節症の症状でお悩みの方は、お気軽に当院までお問い合わせください。専門の
スタッフが丁寧に対応いたします。
※画像は「からだのソムリエ痛みと筋肉治療の最前線」著:齋藤匡壽から引用